抵当権のない住宅ローン
抵当権の設定していない住宅ローンというものがあります。住宅ローンなら抵当権を設定するのが普通ですが、それが知人や勤務先などの場合には、抵当権を設定しないことが多くあります。
住宅ローンとは、住宅の購入を目的とした貸付金のことで、その住宅に抵当権を設定して担保にするかどうかは貸す側次第です。
大手の会社などでは社員貸付制度があると思いますが、住宅の購入資金として1千万円以上の貸付を社員にしてくれるところもあります。
その場合の多くが、抵当権を設定しない無担保ローンになります。担保をとらなくても、その会社で働いている限りは回収が困難になることはないからでしょう。
知人や両親からの住宅ローンでも同じです。わざわざ費用をかけて抵当権を設定しなくても、もともとが完全な信用貸しになりますので、その人が払えなくなったらなったで仕方がないというものです。
抵当権のない住宅ローンは、個人再生では住宅ローンとしては扱われず、消費者金融などの他の一般債権として扱われますので、このことはよく覚えておいたほうが良いと思います。
そのため、勤務先から住宅ローンを借りている場合には、それが無担保ローンであるなら、個人再生をしてしまうと大幅な減免となってしまい、勤務先に対して大きな損害を与えてしまうことになってしまいます。
勤務先によっては、そのことが原因で解雇したり、昇進を見送ったりすることがあるかもしれませんし、個人再生に大反対されるかもしれません。
ただ、多くのケースでは、この場合には解雇せずに、個人再生での弁済を終えてから、毎月の給与からの任意弁済を受け取ることを選ぶ会社が多いです。
知人や両親の場合でも、個人再生での弁済を終えてから、任意弁済をしていくのが一般的だと思います。