昔の貸金業者はヤミ金並みの取立だった
私が消費者金融業者で働き始める前の状況については、先輩たちがたくさん教えてくれました。
ヤミ金融業者がまだまだ幅を利かせていない時代であり、消費者金融業者が1番活況だった時代のことです。
貸出金利も今よりもはるかに高く、消費者金融業者は信用事故がなければ誰にでも貸付していました。
支払い能力が低い人がお金を借りることが多くなり、返済できない人が溢れ、自然と回収業務に力を入れ消費者金融業者が多くなったとのことです。
貸金業規制法はありましたが、取立行為についてはほとんどの消費者金融業者が遵守していませんでした。
電話での督促では大声を出して延滞者を罵倒し、ヤクザ口調で脅しをかけることは普通だったみたいです。
それに、携帯電話がまだ普及する前で延滞者と連絡が取りにくかったため、訪問する機会が非常に多かったようです。
訪問時においても、大勢で押しかけて怒声をあげ、債務者本人だけでなくその家族からも平然と取立を行っていたと言うのですから、すごい話ですよね。
取立に関しては、少し優しいヤミ金融業者といった感じでしょうか。
当時はヤミ金融業者から借りる前に、消費者金融業者に追い込みをかけられて破綻するケースが多かったので、あまりヤミ金融業者が流行らなかったとも言えそうです。
消費者金融業者がおとなしくなり始めた頃から、ヤミ金融業者が市場を拡大していきますが、それは必然的だったのかもしれません。