詐欺で訴えると脅す
貸金業者が返済をしない債務者によく言う言葉が、「詐欺で訴えることになりますよ」、などになると思います。
これまで貸金業者からお金を借りて返済してきた人で、何度か延滞したことがあるという人の中には、このように詐欺呼ばわりされたという経験を持つ人が多いと思います。
貸金業者からすれば、返済する約束を守らないのは詐欺であり、泥棒だということになります。返済するという約束でお金を貸しているわけなので、それを返さないというのは詐欺や泥棒と言われても仕方がありません。
お金を借りて返済をしないというのは、結果からすれば人のお金を騙し取った、または盗んだということと同じになります。
しかし、借金を返さないのが必ずしも詐欺や泥棒と同じとは言えません。詐欺や泥棒というのは、最初からお金を奪い取ることが目的です。
でも、借金を返済しないというのは、借りるときには返す気があったということです。返す気はあったが、結果として返せなくなったということで、これは詐欺や泥棒とは違います。
貸金業者の詐欺で訴えるというのは、ほとんどが返済させるための脅しと思っても良いと思います。仮に貸金業者が詐欺として訴えたとしても、それを立証することは困難だからです。
詐欺を立証するには、始めから本人に返済の意思がなかったことを証明しなくてはいけませんが、本人が返済する気はあったと言えば、それでおしまいです。
借入れして１回も返済をしないで自己破産というケースは、実際にとても多いです。だからと言って、それらが詐欺として訴えられているかというと、そうではありません。
貸金業者に詐欺で訴えると言われたら、返済できないことを謝罪して、返済できるように努力しますとだけ伝え、詐欺については特に触れる必要はありません。詐欺については特に悩むこともないと思います。
