他の貸金業者から借りさせるのは違法
悪質な貸金業者の中には、返済が困難になっている債務者に対して、他の貸金業者に融資を申し込ませ、それによって得た現金を返済に充てるという回収方法をしているところがあります。
貸金業者が守らなくてはならない貸金業規制法では、以下の行為を違法として定めています。
債務者に対し、他の貸金業を営む者からの金銭の借入れその他これに類する方法により貸付の契約に基づく債務の弁済資金を調達することをみだりに要求すること。
ここでは、自分のところの返済をさせるため、他の貸金業者から返済資金を調達するように要求することは禁止だということを、はっきりと示しているのですが、これを守っていない貸金業者はゼロではありません。
このことを守っていない貸金業者の数は、貸金業者の取立行為に対する規制が年々厳しくなっているのと平行して減少しているとは思いますが、なかなかすべての貸金業者が守るというところまでは行っていません。
これは、貸金業規制法の記述では、みだりに要求することとなっているためで、このみだりにという曖昧な記述が問題だと思います。
みだりにというのは人によって感じ方が違ってくる曖昧なもので、違法行為とそうでない行為との境界が非常に曖昧です。
それに、例えば、お金がないなら金策してください、という言葉にしても、人によっては他社で借金してお金を作れという意味にもとれると思います。
少し口の上手い督促担当者になれば、直接的に他社から借金をしろとは言わず、遠まわしに言うことも可能ですよね。
まだ今なら他の貸金業者から借りられそうだというときには、プレッシャーをかけることで、他で借金を借りるように仕向けることは、貸金業者にとっては当然の回収方法かもしれません。
