ありもしない過払い金を主張されても
消費者金融業者の中には、過払い金返還請求の件で過去の取引明細をなかなか開示しないところがあります。開示すれば請求されることになるので、開示しないという理屈はまったく理解できません。
法律で開示は義務となっていますし、訴訟になれば結局は開示することになり、慰謝料や遅延金をつけられて損をするだけです。
私はそうした考えから、取引明細の開示を積極的に行いました。そのため、迅速に和解して過払い金の支払いをしていきました。もちろん、迅速に支払うことで、支払い金を減額してもらっていたのは言うまでもありません。
ところが、たまに、ありもしない過払い金を主張してくる人がいます。すべての取引を隠さずに開示しているのに、もっと古くから取引があると言うのです。
あれば出せますが、ないのは出せません。また、あることを証明することはできても、ないことを証明することはできません。
非常に困ります。仕方がありませんので、相手に証拠を求めます（ないので証拠があるはずはないですけど）。しかし、相手の弁護士からは本人がそう言っているというだけです。本人の記憶が証拠と言うのです。
ないものを出すことはできませんので、こちらとしてはお手上げです。相手の弁護士には過払い金返還請求訴訟をお願いします。
ただ、裁判になれば証拠がすべてになりますので、こちらの主張が全面的に認められるのですが、裁判官からは疑惑の目で見られます。
無実なのに、あの会社は過去の取引を隠しているなと睨まれるのですからたまったものではありません。
